襟足の抜け毛の6つの原因と3つの対策

後頭部には、脱毛の原因となる男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)と結合するアンドロゲンレセプター(AR)が存在しないため、襟足の抜け毛は男性型脱毛症(AGA)によるものである可能性はほとんどありません。男性ホルモンが少ない女性でも、襟足の薄毛に悩んでいるということもあります。AGAではないとなると、襟足の抜け毛はどういったことが原因となるのでしょうか?

原因その1「頭皮環境の乱れ」

襟足の抜け毛の原因として頭皮環境の乱れが考えられます。頭皮は汗をかきやすく、皮脂の過剰分泌などで毛穴が詰まりやすい環境です。毛穴の詰まりが原因で炎症を起こしたり、化膿したりしてしまいます。また、紫外線を浴びることによって頭皮が乾燥し、炎症を起こしてしまう場合もあります。

このような頭皮環境の悪化から、フケやかゆみ、かさぶたなどが生じることで、抜け毛を引き起こす原因となってしまうことがあります。髪がべたつきやすいという人やフケが多いという人は、頭皮環境の悪化が原因である可能性を疑いましょう。

原因その2「カラーやパーマの薬剤」

カラーやパーマの薬剤も抜け毛の原因の一つになります。最近ではオーガニックで頭皮に優しい薬剤もありますが、やはり多少なりとも頭皮への刺激があることは否めません。また、セルフカラーを行っている場合は、襟足には手が届きにくく頭皮にじかに薬剤がついてしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。

薬剤の刺激は頭皮の炎症を引き起こす原因となりますので、抜け毛の原因につながってしまいます。

原因その3「間違ったシャンプー」

ドラッグストアなどで販売されている一般的なシャンプーの多くには、石油系界面活性剤という成分が含まれていることはご存知でしょうか?石油系界面活性剤は食器用洗剤などにも含まれるほど、強力な洗浄力を持つ成分です。

頭皮には、保湿のためにもある程度皮脂が必要です。しかし、この強力な洗浄成分は頭皮に必要な皮脂まで根こそぎ洗い流してしまいます。これが頭皮の乾燥の原因の一つとなり、抜け毛を誘発してしまうのです。また、シャンプーのすすぎ残しも頭皮にはよくない影響を与えます。

石油系界面活性剤を含むものはもちろん、シリコンを含むシャンプーも要注意です。シリコンとは、被膜を作って髪の毛をコーティングする成分です。髪の艶を出したり、キューティクルの剥がれや切れ毛、枝毛などの予防をしたり、髪の指通りを良くしたりすることなどのために配合されます。

シャンプーのすすぎ残しがあると、このシリコンが頭皮の毛穴もコーティングしてしまいます。毛穴が詰まってしまうことで、老廃物が排出されずに雑菌が繁殖してしまい、結果的に炎症を起こしてしまうことになります。襟足は特にすすぎ残しが多い部分ですので、念入りにすすぐことを意識しましょう。

→抜け毛の原因とは?うねり毛はシャンプーの仕方で解消できる?

原因その4「生活習慣の乱れ」

髪の毛も体の一部ですから、生活習慣の乱れは如実に影響として現れます。人間は眠っているときに最も成長ホルモンを分泌させます。睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げますので、髪の毛の育成も妨げることになります。

また、睡眠不足は血行不良の原因にもなります。頭皮の血行が悪化することが髪の毛に悪影響であることは想像に難くないですよね。もちろん、食生活も重要です。過度なダイエットによる栄養不足で髪も痩せてしまったというのはよく聞かれる話です。

襟足のみに関わらず、健康な髪の毛を作るには生活習慣の乱れは大敵です。

原因その5「ストレス」

ストレスは体の不調の原因の代表格ですが、抜け毛についても同様です。人はストレスを感じることで交感神経の働きが活発になります。交感神経が活発になると、末梢血管が収縮するため頭皮の血行不良につながります。ストレスを感じて体が緊張状態になると、体がこわばり、手足が冷たくなったことはないでしょうか?あの状態が末梢血管の収縮状態にあたります。

また、襟足の髪がまだらではなく一部分が綺麗に抜けてしまうといった場合は、ストレスによるホルモンバランスの乱れが原因となる円形脱毛症であることも考えられます。

原因その6「襟足に負担をかける髪型」

髪を後ろで一つ結びにすることが多いという人は、その結び方が抜け毛の原因になっているかもしれません。結ぶときに必要以上に髪を強く引っ張っていないでしょうか。強く引っ張りすぎてしまうことで頭皮や毛根に負担がかかっている可能性があります。

また、バッグを肩に掛けたときに髪の毛を巻き込んで引っ張ってしまうなども頭皮の負担の一因になります。髪の長い人に多いケースですので、髪の長い人は要注意です。

対策その1「頭皮環境を整える」

襟足の抜け毛を改善するには、まずは頭皮環境を正常に整えることが重要です。

頭皮は汗腺が多い場所ですので、汗をかいたらこまめに拭き取り清潔に保つよう心がけましょう。特に、襟足は、頭頂部から流れてきた汗が溜まりやすいですので気をつけましょう。

また、紫外線が強いときは帽子を被るなど、頭皮を守る工夫も併せて行うとより効果的です。さらに、生活習慣も見直すことで体内からの改善が期待できます。血管を収縮させてしまう喫煙を控え、適度な運動を行いましょう。

言ってみれば、頭皮は髪が育つ畑です。良い土壌がないと良い作物が育たないのと同じように、良い髪を育てるには健康な頭皮作りが大切です。

→抜け毛が増えて頭髪が薄くなってきた時の対処方法

対策その2「正しいシャンプー」

シャンプー選びもポイントです。ノンシリコンで石油系界面活性剤を含まないアミノ酸シャンプーがおすすめです。ただし、選ぶときには注意が必要です。明確な規制ルールがないため、アミノ酸配合と謳っていながら、実は数パーセントのアミノ酸成分を含んでいるだけで主成分は違うというシャンプーも少なくありません。

成分表を確認し、ココイル系、メチルアラニン系、ベタイン系の表記があればアミノ酸シャンプーと判断して良いでしょう。逆に、成分表の「水」の次にラウリス硫酸、ラウレス硫酸、オレフィンスルホン酸の表記があるものは避けた方が無難です。

シャンプーのときには頭皮を優しくマッサージするように揉みながら洗うと血行促進効果が期待できます。最後はすすぎ残しがないようにしっかりと流しましょう。

対策その3「髪を育てる食事」

ワカメなどの海藻類が髪に良いというのは、あまりに有名な話です。海藻に含まれるネバネバ成分、フコイダンが髪の毛の成長を促進する物質の分泌を助ける働きを持っているためです。また、ヨードといわれる血行を促進する成分も含まれているため、抜け毛予防にも有効なのです。

髪の毛の主成分であるケラチンを合成する働きをもつ亜鉛が豊富に含まれている牡蠣も積極的に摂りたい食材です。他には、髪の毛の主成分となるタンパク質が豊富で低脂質な鶏肉や、薄毛改善に役立つビタミンCやビタミンB2、ビタミンEといったビタミンが含まれる緑黄色野菜も加えたいですね。

なお、アルコールは一定量を超えると血行不良を起こしますのでほどほどにしましょう。